上司や恩師など目上の方が転勤・退職・留学などで旅立つ際、お餞別を贈ろうとして「表書きはどう書けばいい?」「封筒の選び方は?」と迷う方は多いのではないでしょうか。目上の人への贈り物は、金額よりも書き方ひとつで印象が大きく変わるため、マナーを正確に把握することが欠かせません。この記事では、表書きの言葉の選び方から熨斗袋・水引の選び方、名前や中袋の記載方法、さらに渡す際の言葉まで、失礼のないお餞別の作法を一記事で完全網羅します。大切な方の門出を、正しいマナーで心を込めてお祝いしましょう。
この記事の監修者

ギフトコンシェルジュ
清野飛鳥
法人様向けのオリジナルカタログギフトを手軽に作れる「PsyPre for Biz」を統括しています。想い出に残るイベントや福利厚生などのお悩みをサポートいたします。
目上の人へのお餞別|表書きの正しい書き方
表書きとは、熨斗袋や封筒の上段中央に書く贈り物の目的を示す言葉です。目上の方へのお餞別では、言葉の選び方そのものが相手への敬意を表します。
「御餞別」が最もフォーマルで正しい表書き
目上の人へのお餞別の表書きには、「御餞別(おせんべつ)」を使うのが最もフォーマルで一般的です。「お餞別」とひらがなで書くケースも見られますが、改まった贈り物では漢字の「御餞別」が礼儀にかなっています。「御餞別」は旅立ちや門出を祝う意味を持ち、転勤・退職・留学・就職など幅広いシーンで使えます。
シーン別・表書きの使い分け一覧
お餞別を贈るシーンによって、より適切な表書きが異なる場合があります。以下の表を参考にしてください。
| シーン | 推奨される表書き | 備考 |
|---|---|---|
| 転勤・異動 | 御餞別 | 最もオーソドックスな表書き |
| 退職・定年退職 | 御餞別 または 御退職祝 | 定年退職には「御退職祝」も可 |
| 留学・海外赴任 | 御餞別 または 御壮行 | 「御壮行」は出発を称える意味合い |
| 就職・進学で旅立つ | 御餞別 または 御祝 | 慶事色が強い場合は「御祝」も自然 |
| 卒業・旅行前 | 御餞別 または 餞別 | カジュアルな場面では「餞別」でも可 |
表書きを書く際の筆記具と書き方のポイント
表書きは毛筆または筆ペンで書くのが正式なマナーです。ボールペンや鉛筆は略式とされるため、改まった場面では避けましょう。文字は薄墨ではなく濃い墨(黒)を使います(薄墨は弔事用です)。水引の上段中央に「御餞別」、下段中央には贈り主の名前を書きます。文字のバランスは上段より下段の名前をやや小さめにするのが美しく見えるコツです。

御餞別の封筒・熨斗袋と水引の選び方
お餞別に使う熨斗袋や水引の選び方を間違えると、せっかくの気持ちが台無しになることもあります。目上の方への贈り物だからこそ、袋の格にも気を配りましょう。
熨斗袋か、白封筒か?
現金を包む場合、正式にはのし袋(熨斗袋)を使います。熨斗袋は右上に「のし(熨斗飾り)」が印刷されたもので、慶事の贈り物に使用します。お餞別は慶事(門出のお祝い)にあたるため、のし付きの袋が適切です。ただし、金額が3,000円以下の少額の場合や、職場の仲間同士でカジュアルに渡す場合などは、白封筒に水引を印刷したもの(略式熨斗袋)でも失礼にはなりません。目上の方への場合は、できる限り正式なのし袋を選びましょう。
水引の種類・色・本数の選び方
水引はのし袋に飾られる飾り紐です。お餞別に使う水引のポイントは以下の3つです。
- 結び方:「蝶結び(花結び)」を使います。蝶結びは何度でも結び直せることから、繰り返しても良い慶事(誕生日・お礼など)に使います。お餞別も慶事なので蝶結びが適切です。「結び切り」は一度きりの意味があり、結婚祝いや病気見舞いなどに使うもので、お餞別には使いません。
- 色:紅白(赤と白)または金銀が一般的です。目上の方への改まったお餞別には、紅白もしくは金銀の豪華なものを選ぶと格が上がります。
- 本数:5本または7本が基本です。金額が大きい場合(1万円以上など)は10本(5本×2組)の豪華なものを選ぶとより丁寧な印象になります。
熨斗袋の大きさは金額に合わせる
お札がきれいに入る大きさの熨斗袋を選ぶことも大切なマナーです。金額に対して小さすぎる袋に無理やり入れたり、逆に1,000円に対して大きな豪華袋を使ったりするのは不釣り合いです。一般的には以下の目安が参考になります。
| 金額の目安 | 熨斗袋の格 |
|---|---|
| 〜3,000円 | 印刷の簡易水引のし袋 |
| 3,000円〜10,000円 | 5本水引・紅白蝶結びのし袋 |
| 10,000円〜30,000円 | 7〜10本水引・紅白または金銀のし袋 |
| 30,000円以上 | 10本水引・金銀豪華のし袋 |
お餞別の名前の書き方と中袋の記載方法
表書きと同様に、名前の書き方や中袋の記載も正確に行う必要があります。相手が確認しやすいよう、丁寧に記載しましょう。
外袋(表面)の名前の書き方
水引の下段中央に、贈り主のフルネームを書きます。連名の場合は以下のルールに従います。
- 1人の場合:下段中央にフルネームを書きます。
- 2〜3人の場合:中央に代表者の名前を書き、その左に残りの名前を書きます。全員同格の場合は右から順に記載します。
- 4人以上の場合:「〇〇一同」「〇〇部一同」などと書き、別紙に全員の名前を書いて中袋と一緒に入れます。
- 会社名と個人名を両方書く場合:右寄りに会社名・部署名を小さめに書き、中央に個人名を書きます。
中袋の書き方
中袋とは、現金を入れる内袋のことです。中袋には以下の内容を記載します。
- 表面(中袋の表):中央に金額を書きます。「金 〇〇円」と書くのが正式で、金額は旧字体の漢数字(大字)を使うのがマナーです。例:「金 壱萬円」「金 参萬円」など。
- 裏面(中袋の裏):左下に贈り主の住所と氏名を書きます。
なお、市販の熨斗袋の中には中袋に記入欄が印刷されているものもあります。その場合は印刷された欄に沿って記入すれば問題ありません。
お札の入れ方のマナー
お金は新札(ピン札)を用意するのが目上の方への礼儀です。銀行で事前に両替しておきましょう。お札は肖像画が表・上になるよう向きをそろえて中袋に入れます。複数枚の場合も、すべて同じ向きにそろえます。
目上の人へのお餞別の渡し方と添える言葉のマナー
せっかく正しく書き上げたお餞別も、渡し方や言葉のマナーを間違えると印象が下がってしまいます。目上の方への渡し方には、特に注意が必要です。
渡すタイミングと場所
お餞別は出発の1〜2週間前までに渡すのが理想です。直前になると相手の準備が忙しくなるため、早めに渡しましょう。渡す場所は、複数人でまとめて贈る場合は送別会の席が最適です。個人的に贈る場合は、相手が落ち着いて話せる場所を選び、ほかの人が少ない状況で渡すと丁寧です。
渡す際の所作と言葉の例
お餞別を渡す際は、そのままバッグから取り出すのではなく、ふくさ(袱紗)に包んで持参し、その場でふくさから取り出して両手で差し出します。のし袋の表書きが相手に向くよう向きを整えて渡しましょう。
添える言葉の例としては、以下のような表現が自然で丁寧です。
- 「ご転勤のお祝いにと思いまして、ほんの気持ちですがお納めください。」
- 「ご退職を機に、心ばかりのものをお贈りしたいと思いました。どうぞお受け取りください。」
- 「新しいご活躍の場でもご健勝でいらっしゃいますよう、心よりお祈り申し上げます。」
「つまらないものですが」という表現は現代では見直されつつあります。「ほんの気持ちですが」「心ばかりのものですが」といった言葉の方が相手への誠意が伝わります。

目上の人へのお餞別の金額相場と注意点
お餞別の金額は、相手との関係性や状況によって異なります。目上の方へはある程度の金額を用意するのが礼儀ですが、高すぎると相手に気を遣わせることもあるため、相場を把握したうえで判断しましょう。
関係性別・金額相場の目安
| 相手との関係性 | 個人で贈る相場 | 連名(5人程度)の相場 |
|---|---|---|
| 直属の上司 | 5,000円〜10,000円 | 10,000円〜30,000円 |
| 役員・部長クラス以上 | 10,000円〜30,000円 | 30,000円〜50,000円 |
| お世話になった先輩 | 3,000円〜5,000円 | 5,000円〜10,000円 |
| 恩師・先生 | 3,000円〜10,000円 | 10,000円〜30,000円 |
一般社団法人日本フローラルデザイン協会などの調査によると、職場での餞別金額は個人で3,000円〜10,000円が最多とされています。連名でまとめて贈る場合は1人あたりの金額を抑えられるため、職場全体でまとめることも多くあります。
金額を決める際の注意点
- 4・9は避ける:「4(死)」「9(苦)」を連想させる金額(4,000円・9,000円など)は縁起が悪いとされているため避けましょう。
- 奇数が縁起良いとされる:慶事では奇数の金額(3,000円・5,000円・10,000円など)が一般的です。
- 相手の立場より高くしすぎない:目上の方が気を遣わない程度の金額にとどめるのが基本です。

お餞別はギフトでも贈れる?現金以外の選択肢
目上の方へのお餞別は現金が一般的ですが、近年はカタログギフトや体験型ギフトも選ばれるようになっています。特に、相手の好みに合わせて自分で選べるギフトは「外す心配がない」と好評です。
法人向けのギフトサービスPsyPre for Bizでは、1,000種類以上の商品から受け取る方が自由に選べるeカタログギフトを提供しています。複数人への餞別をまとめて手配する際にも、URLをCSVで一括送付するか、QRコード付きギフトカードを郵送するだけで完結するため、住所収集の手間がかかりません。初期費用・月額・手数料はすべて0円で、カタログ代金×個数のみのシンプルな料金体系も、経理処理がしやすいと好評です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 目上の人へのお餞別の表書きは「御餞別」と「お餞別」どちらが正しいですか?
改まった場面や目上の方へのお餞別では、「御餞別」(漢字表記)が正式です。「お餞別」とひらがなで書くケースも一般的ですが、フォーマルな熨斗袋では「御餞別」を選ぶことで相手への敬意をしっかり示すことができます。
Q2. 目上の人へのお餞別に使う水引の種類と本数はどれが適切ですか?
お餞別には「蝶結び(花結び)」の水引を使います。結び切りは結婚祝いや病気見舞いなどに使うもので、お餞別には適しません。色は紅白または金銀、本数は5本または7本が基本で、金額が大きい場合(1万円以上)は10本の豪華な袋を選ぶとより丁寧です。
Q3. お餞別を目上の人に渡す際にかける言葉のマナーは?
「ほんの気持ちですが、お納めください」「新天地でのご活躍をお祈り申し上げます」など、相手の門出を祝う言葉を添えましょう。以前よく使われていた「つまらないものですが」は自己卑下が強すぎるとされるため、「心ばかりのものですが」「ほんの気持ちですが」という表現が現代のマナーにかないます。
Q4. 目上の人へのお餞別の金額相場はいくらが一般的ですか?
個人で贈る場合、直属の上司には5,000円〜10,000円が一般的な相場です。役員クラスには10,000円〜30,000円程度、恩師や先生へは3,000円〜10,000円が目安になります。4,000円・9,000円など「4」「9」を連想させる金額は避け、5,000円・10,000円などの奇数・区切りの良い金額を選びましょう。
Q5. 中袋に書く金額は漢数字でなければいけませんか?
正式には旧字体の漢数字(大字)で書くのがマナーです。「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」「伍(五)」「拾(十)」「萬(万)」などを使い、「金 壱萬円」のように書きます。改ざん防止の意味もあるため、フォーマルな場面では大字を使うことをおすすめします。
Q6. 職場でまとめてお餞別を渡す場合、のし袋の書き方はどうすればよいですか?
4人以上の連名で贈る場合は、のし袋の下段に「〇〇部一同」や「有志一同」などと書きます。別紙に全員のフルネームを書いて中袋と一緒に袋に入れると、受け取った方が誰からの贈り物かをきちんと確認できます。全員の名前は右から目上の順に縦書きで記載するのがマナーです。

まとめ
目上の方へのお餞別は、表書きを「御餞別」と書き、蝶結びの水引付き熨斗袋を選ぶのが基本マナーです。名前の書き方や中袋の金額記載、お札の入れ方、渡す際の言葉まで、ひとつひとつの所作が相手への敬意を伝えます。大切な方の門出を、正しいマナーを押さえた心のこもったお餞別でお祝いしましょう。また、複数名への餞別をまとめて手配したい法人のご担当者様には、PsyPre for Bizのeカタログギフトが住所収集不要・費用シンプルで大変便利です。ぜひご活用ください。
