長年にわたり会社に貢献してくれた従業員を称える永年勤続表彰は、企業にとって重要な節目となる行事です。しかし、いざ準備を進めようとすると「のしの表書きは何が正解なのか」「水引の結び方はどれを選ぶべきか」といった細かいマナーに頭を悩ませる担当者様も多いのではないでしょうか。
表彰式は従業員のモチベーション向上や離職防止につながる大切な機会だからこそ、失礼のないよう完璧に準備を整えたいものです。この記事では、永年勤続表彰における「のし」の正しい書き方や選び方のマナーを分かりやすく解説します。さらに、近年注目されている「課税」への配慮や、相手の好みに左右されない新しい記念品の形についても触れていきます。
この記事の監修者

ギフトコンシェルジュ
清野飛鳥
法人様向けのオリジナルカタログギフトを手軽に作れる「PsyPre for Biz」を統括しています。想い出に残るイベントや福利厚生などのお悩みをサポートいたします。
永年勤続表彰における「のし」の基本マナー

永年勤続表彰は、従業員への慰労や感謝のしるしとして行われる慶事です。そのため、記念品や金一封を用意する際は、マナーに沿った「のし(熨斗)」を掛けることが礼儀となります。まずは基本となる水引や表書きのルールを押さえましょう。
水引は「紅白の蝶結び」を選ぶ
のし紙やのし袋に付いている水引(飾り紐)にはいくつかの種類がありますが、永年勤続表彰では「紅白の蝶結び(花結び)」を選びます。蝶結びは紐を引けば解け、何度でも結び直せることから「何度繰り返しても喜ばしいお祝い事」に使用されるためです。
水引の本数については、3本、5本、7本などがあり、本数が増えるほど丁寧な意味合いを持ちます。勤続年数の長さや包む金額の大きさに合わせて本数を選ぶと良いでしょう。
表書きの正解は「御祝」や「祝 勤続〇年」
のしの上段に書く「表書き」で最も一般的かつ間違いがないのは「御祝」です。どのようなシチュエーションでも失礼にならず、シンプルに祝意を伝えられます。
もう少し具体的に内容を記したい場合は、「祝 勤続〇年」や「勤続〇周年」とするのも一般的です。また、「永年勤続表彰記念品」といった長い名称を思い浮かべるかもしれませんが、文字数が多すぎてバランスが悪くなる可能性があるため、「御祝」だけで済ませるケースも多く見られます。
贈り主の名前は「代表者名」または「会社名」
水引の下段には、贈り主の名称を記載します。ここには一般的に「会社名」「団体名」や「代表取締役社長 〇〇」といった代表者名を記入します。表彰するのは会社側であるため、受領者の名前ではなく、必ず贈る側の組織名や代表者名を書くように注意しましょう。
【のし袋の書き方】実践的な筆記用具と作法

のし袋やのし紙への記入は、単に文字が書いてあれば良いというものではありません。格式高い表彰にふさわしい筆記用具選びと書き方のマナーが存在します。
ボールペンや万年筆はNG
のし袋に文字を書く際は、必ず「毛筆」または「筆ペン」を使用するのがマナーです。事務用品であるボールペンや万年筆を使用することは、儀礼的な場ではふさわしくないとされています。
また、墨の色にも注意が必要です。香典などで使われる「薄墨(うすずみ)」は悲しみの涙で墨が薄まったという意味を持つため、お祝い事である永年勤続表彰では使用してはいけません。必ず濃くはっきりとした黒色の墨を使って書きましょう。
記念品に掛ける場合は「内のし」か「外のし」か
記念品にのし紙を掛ける際、包装紙の内側に掛ける「内のし」と、包装紙の外側に掛ける「外のし」の2パターンがあります。
表彰式で手渡しをする場合、表書きが参列者に見えるように「外のし」にするのが一般的です。一方で、記念品を配送する場合や、控えめに渡したい場合は、のし紙が破れないよう「内のし」を選ぶことが多いです。表彰式のスタイルに合わせて使い分けましょう。
記念品選びの悩みと「課税」の落とし穴
のしの準備と並行して担当者を悩ませるのが、記念品(副賞)の選定です。現金や商品券は喜ばれる一方で、税務上の取り扱いには十分な注意が必要です。
永年勤続表彰は課税対象?カタログギフトの税務処理と社員が喜ぶ記念品選びの正解
現金や商品券は「給与扱い」になり課税対象へ
永年勤続表彰の副賞として現金(金一封)や商品券を渡す場合、これらは原則として「給与所得」とみなされ、課税対象となります。自由に使える現金や換金性の高いギフト券は、受け取る従業員にとって所得税が増える要因になり得ます。
一方で、記念品としてモノを贈る場合でも、あまりに高額なものや、本人が自由に商品を選べる選択肢の広すぎるカタログギフトなどは課税対象となる可能性があります。非課税として認められるには、「勤続年数に照らして社会通念上相当な金額であること」などの要件を満たす必要があります。詳細な運用については、税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
「相手の好みが分からない」という課題
記念品選びでは「相手の好みが分からなくて、苦手なものを渡してしまわないか」という悩みも尽きません。年代や性別、ライフスタイルが多様化する中で、全員が喜ぶ特定の品物を選ぶのは至難の業です。
時計やトロフィーといった形に残る記念品は定番ですが、実用性を重視する従業員も増えています。そこで近年人気を集めているのが、受け取った本人が好きなものを選べるカタログギフトです。

従業員満足度を高めるなら「PsyPre for Biz」が最適解
のしの手配や記念品選びの負担を軽減しつつ、従業員に心から喜んでもらえる永年勤続表彰を実現したい。そんな担当者様におすすめなのが、法人向けギフトサービス「PsyPre for Biz」です。
自由に商品を組み合わせて「選ぶ楽しさ」を提供
PsyPre for Bizは、1,000種類以上の豊富な商品の中から、予算や相手の好みに合わせて自由に商品を組み合わせ、オリジナルのカタログギフトを作成できるサービスです。
従来のカタログギフトのように決まった商品群から選ぶだけでなく、企業側が「従業員にこれを使ってほしい」という商品をピックアップして提案することも可能です。これにより、福利厚生としてのメッセージ性を保ちつつ、従業員には「自分で選ぶ」という満足感を提供できます。
熨斗(のし)やメッセージ対応の手間を削減
PsyPre for Bizでは、Web上で完結する「eカタログギフト」という形式を採用しています。URLやQRコードでギフトを贈ることができるため、重たい記念品を持ち帰ってもらう必要がありません。
さらに、オリジナルのメッセージや企業ロゴを挿入することが可能です。従来の紙ののし紙のように、形式張った対応に時間を取られることなく、デジタル上でお祝いの言葉や企業のブランディングを反映させたスマートな贈答が可能になります。
住所管理不要でスムーズな納品
eカタログギフトであれば、受け取った従業員自身が配送先住所を入力するため、会社側で個人の住所情報を管理・入力する手間が不要です。
URL納品タイプなら最短即日で納品が可能であり、「表彰式まで納期がギリギリ」という場合でも安心して利用できます。お急ぎの案件や、テレワーク中の従業員への送付にも柔軟に対応できます。

まとめ
永年勤続表彰は、従業員の長年の功績を称える大切なイベントです。のし袋の表書きは「御祝」や「祝 勤続〇年」とし、紅白の蝶結びの水引を選び、毛筆や筆ペンで丁寧に記入するのがマナーです。
そして記念品選びにおいては、従業員の多様な好みに応えつつ、担当者の業務負担を減らす工夫が求められます。「PsyPre for Biz」なら、オリジナル性の高いカタログギフトを簡単に作成でき、ロゴやメッセージで感謝の気持ちをより印象的に伝えることができます。
次回の永年勤続表彰では、マナーを守った丁寧な準備とともに、従業員が本当に喜ぶ新しいギフトの形を取り入れてみてはいかがでしょうか。


