企業の歴史と共に歩んできた従業員を称える永年勤続表彰。しかし、働き方の多様化や世代間の価値観のズレにより、現場からは「いらない」という冷ややかな声が聞こえてくることも少なくありません。担当者としては、形骸化した制度を廃止すべきか、それとも形を変えて継続すべきか頭を悩ませるところでしょう。
本記事では、永年勤続表彰がなぜ「いらない」と言われてしまうのか、その背景と廃止のリスクを整理し、現代の従業員に心から喜ばれる制度へアップデートするための具体的な方法を解説します。
この記事の監修者

ギフトコンシェルジュ
清野飛鳥
法人様向けのオリジナルカタログギフトを手軽に作れる「PsyPre for Biz」を統括しています。想い出に残るイベントや福利厚生などのお悩みをサポートいたします。
なぜ永年勤続表彰は「いらない」と言われるのか

かつては当たり前だった終身雇用制度が崩れつつある中で、永年勤続表彰の在り方も問われています。従業員がこの制度を不要だと感じてしまう主な理由には、以下の3つの要因が考えられます。
時代に合わない記念品と利用しづらい特典
最も多い不満の一つが、表彰のメリットを感じられないという点です。従来の永年勤続表彰では、置き場所に困る記念品や、指定された旅行会社でしか使えない旅行券などが贈られることが一般的でした。しかし、個人のライフスタイルが多様化した現代において、会社側が一方的に選定したギフトは従業員のニーズに合致しないことが増えています。
また、旅行券などは非課税枠の適用を受けるために利用範囲が厳しく制限されており、使い勝手が悪いと感じる従業員もいます。自分が欲しいものを選べない、あるいは利用手続きが煩雑な特典であれば、手取りの現金が増える方が良いと考えるのは自然な流れでしょう。
中途採用者の増加と不公平感
雇用の流動化が進み、30代や40代で転職することが一般的になりました。その結果、従来の「勤続20年、30年」といった長期間の基準では、表彰対象となる前に定年を迎えてしまう従業員が増加しています。
一部のベテラン社員だけが恩恵を受け、会社に貢献している中途入社の社員が対象外となる仕組みは、従業員間に不公平感を生みます。「自分には関係ない制度」という認識が広がれば、モチベーション向上どころか、組織全体のムード悪化につながりかねません。
評価基準への納得感の欠如
表彰制度全般に言えることですが、なぜその人が表彰されるのかという基準が不明確だと、周囲の納得感は得られません。単に「長く在籍していること」だけを評価することに対し、成果主義の世代や若手社員からは疑問の声が上がることもあります。勤続年数という定量的な基準であっても、在籍しているだけで貢献度が低いと見なされている社員が表彰される場合、周囲の士気を下げる要因になり得ます。
永年勤続表彰とは?相場・のし・課税ルールを完全網羅!社員に喜ばれる記念品選び方
安易な「廃止」が招くリスクと既得権益

現場の不満があるからといって、永年勤続表彰を安易に廃止することにはリスクも伴います。制度の見直しには慎重な判断が必要です。
従業員の期待とモチベーションへの影響
永年勤続表彰を楽しみにしている従業員にとって、この制度は一種の「既得権」や「期待権」となっています。例えば、あと数年で勤続20年の節目を迎え、副賞の旅行を楽しみにしていた社員が、突然の制度廃止を知らされれば、会社への不信感は爆発しかねません。
また、長く勤めたことへの感謝や敬意を示す場がなくなることで、会社に対する愛着(エンゲージメント)が低下し、離職率の上昇や生産性の低下を招く恐れもあります。表彰は、従業員が「大切にされている」と実感できる貴重な機会でもあるのです。
廃止に伴う代替措置の難しさ
制度を廃止する場合、従業員の不満を解消するための代替措置が必要となります。ある事例では、制度廃止時点での勤続年数に応じたポイントをカフェテリアプランで付与したり、退職金に加算したりといった調整が行われています。
しかし、これらの調整には複雑な計算や管理コストがかかります。また、単に廃止するだけでは、「福利厚生が削られた」というネガティブなメッセージとして受け取られかねないため、非常にデリケートな対応が求められます。
「いらない」を「嬉しい」に変える制度設計のポイント
永年勤続表彰を廃止するのではなく、現代のニーズに合わせてリニューアルすることで、従業員エンゲージメントを高める有効なツールに変えることができます。
表彰のタイミングと対象の見直し
定年延長や雇用の流動化に合わせ、表彰の節目を見直す企業が増えています。例えば、勤続10年や15年といった比較的短いスパンでの表彰を設けたり、定着を促すための5年表彰を導入したりするケースです。
短いスパンで表彰を行うことで、中途採用者も対象になりやすくなり、より多くの従業員にスポットライトを当てることが可能になります。また、定年後の再雇用者向けに、勤続30年以上の新たな枠を設けるなど、実態に即した柔軟な運用が求められています。
選択肢のあるギフトへの転換
「いらない」と言われないためには、従業員自身が欲しいものを選べる仕組みが重要です。そこで注目されているのが、カタログギフトやポイント制の導入です。
ただし、ここで注意が必要なのが税務上の取り扱いです。永年勤続表彰の記念品として現金を支給したり、換金性の高いギフト券を渡したりすると、給与として課税対象となり、従業員の手取りが減ってしまう可能性があります。非課税の要件を満たしつつ、従業員の選択肢を広げることが、制度改革の鍵となります。

現代の永年勤続表彰に最適な「PsyPre for Biz」
制度の形骸化を防ぎ、従業員一人ひとりに心から喜んでもらえる永年勤続表彰を実現するために、法人向けギフトサービス PsyPre for Biz の活用が効果的です。
自由に組み合わせ可能なオリジナルカタログ
PsyPre for Bizの最大の特徴は、1,000種類以上の商品の中から、予算や相手の好みに合わせて自由に商品を組み合わせ、完全オリジナルのカタログギフトを作成できる点です。
従来の画一的なカタログギフトとは異なり、会社のカラーを出したり、従業員の年齢層や属性に合わせて中身をカスタマイズしたりすることが可能です。例えば、自己啓発に役立つアイテムや、健康意識の高い従業員向けのグッズなどを盛り込むことで、「会社は自分たちのことを考えてくれている」というメッセージを伝えることができます。
管理の手間をゼロにする「eカタログ」
人事担当者の大きな悩みである「在庫管理」や「発送業務」の負担も、PsyPre for Bizなら解決できます。納品形態は、ギフトカードタイプとURL納品タイプから選択でき、どちらもWeb上で完結する「eカタログ」です。
住所管理や梱包作業が不要になるため、対象者が多い場合や、リモートワーク中の従業員への送付もスムーズに行えます。URLタイプであれば最短即日で納品が可能で、急な対応にも安心です。
企業の想いを伝えるブランディング機能
単にモノを渡すだけでなく、企業の感謝の気持ちをしっかりと伝える機能も充実しています。カタログのWeb画面には、企業ロゴやオリジナルメッセージを挿入することが可能です。
社長からの労いの言葉や、会社の理念をメッセージとして添えることで、永年勤続表彰が単なる「モノの支給」から、エンゲージメントを高める「記念のイベント」へと昇華します。

まとめ
永年勤続表彰は、運用次第で「いらない制度」にも「モチベーションの源泉」にもなり得ます。安易な廃止はリスクを伴いますが、前例踏襲のままでは従業員の心は離れていくばかりです。
大切なのは、長く会社に貢献してくれた従業員に対し、その時代に合った形で感謝を伝えることです。選択肢の多様性、受け取りやすさ、そして企業のメッセージ性を兼ね備えた PsyPre for Biz で、永年勤続表彰を「従業員が待ち望むイベント」へとアップデートしてみてはいかがでしょうか。


